碾茶ができるまで

お茶のお話


宇治茶のはじまりは、宇治でチャの木を栽培しはじめた鎌倉時代。
室町時代には稲わらなどで茶園を覆う「覆下栽培」が発明されて日本特有の抹茶が生まれ、
江戸時代に焙炉上で茶を手揉みしながら乾燥させる「宇治製法」によって煎茶が登場。
そして、「覆下栽培」で育てた茶葉を「宇治製法」で加工した玉露が誕生。
これらが全国に広がり基本製法となりました。


お茶の種類


摘んだ芽が碾茶になるまで
茶摘みさんが芽を摘んでから「碾茶(てんちゃ)」という状態にして出荷します。
その各工程に品質へのこだわりがあります。
1. 摘み
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渋み成分のカテキンが増えるのを防ぐため、二重覆いをして日光を95%遮断。覆っているのは「寒冷紗(かんれいしゃ)」という布で、上部だけでなく側面にも張り巡らせます。
工程_02
5月、茶摘みがはじまります。引き手さんという役割の方が茶摘み作業全般をまとめます。誰がどの筋を担当するかはくじ引きで公平に決めます。
工程_04
摘んだ芽は一人ずつ名札のついた袋に入れ、重さを計ります。最盛期にはひとり15kg摘むこともあります。
工程_05
トラックに載せ工場へ運びます。この間も日光に当たらないよう覆いをしたり日陰で作業を行います。多い時で一日約350〜400kgの新芽を積みます。
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工場へ到着した芽をコンテナに入れます。コンテナ下部の送風口からは湿度が保たれた風が送られ、芽が痛まないよう配慮しています。


2. ほぐし
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古葉や汚れた葉がないかチェックします。次の工程での機械詰まりを防ぐため、手で丁寧にほぐしていきます。


3. 蒸し
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蒸し機に入れ、高圧の蒸気で芽を蒸していきます。工場中に蒸気が立ちこめます。
工程_010
▲蒸気を作って送る装置
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蒸しあがり具合のチェック。蒸し時間と蒸気の当て方によって仕上がりの味や香り、色に影響するためとても大切な工程です。年々の気候により芽の出来に違いがあるため、熟練の感覚が必要な作業です。
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4. 乾燥・選別
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工場の屋根に届かんばかりの長さの「散茶機」に移動し、強い風で芽を上へ舞い上がらせます。蒸す段階で不必要な水分を含んだ芽に風を当て余分な水分を飛ばします。この時に重なった芽を展開させます。
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蒸しの段階で煮えすぎた芽は「煮え葉取り」で取り除きます。
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散茶機から出た芽は、約10mの長さの「碾茶炉」に入ります。中ではベルトコンベアーが動いており、約20分かけゆっくりと下段、上段、中段の順番で移動し、乾燥させます。

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碾茶炉を温める「バーナー」。碾茶炉の中には釜があり、端まで伸びた筒を通して熱を送ります。

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碾茶炉の下段から出てきた芽。この時点で約8割乾燥されており、古葉や汚れた葉などがないかすべて手作業でチェックします。碾茶の仕上がりに影響するためとても重要な工程です。作業後、送風によりベルトコンベアーの上段へ送られ、乾燥の仕上げへと移ります。

5. 仕上げ
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乾燥されたら芽と茎に選別され、再度乾燥させます。
工程_018
仕立て上がった芽。茎も別の乾燥機で乾燥され、他の種類の茶葉となります。
工程_019
碾茶が完成。これを石臼で挽いたものが「抹茶」となります。緑茶として飲むこともでき、ふくよかな香りと甘味、旨味が特徴の生産農家ならではの垂涎の一品です。80〜90℃くらいに冷ましたお湯で淹れると甘みが際立ち濃厚な旨味を味わっていただけます。


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抹茶
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碾茶ティーバッグ